WE-421A単管プッシュプル·アンプの製作

摘要

このアンプは拾いものでした．それも宝石クラスの貴重な拾いものでした。もとはといえばごく単純な動機からでした．雑誌の最近号の広告をパラパラとみているうちに，かつて1-2万円はしていたはずのWE－421Aという球が5,000円位いで数社中ら売り一に出されていることに気がついたのです。実はこの球の存在は数年前から知っていて，その特長である超低R_pに心魅かれていたのですが，使用例がはとhどなく，素性の知れない球にいかにウェスタンとはいえ数万円も投資して，もし豊田商事だったら（もっとも当時は未だ事件は起きていなかったが）どうしょう，という危倶の急から，実現はしてなかったのですが，底値になったのを幸い買い出動となったわけです。ところがこの買いは大当り．今まで作った数々の傍熟管PPアンプ，6550，KT－88，6CA7，6CA10，6G－A4などのアンプ群の中では，抜群の高音質で，今までの自作PPアンプとしては出色のできだったと思っている出力4Wの45PPにタムラの100W級のOPTを使った，超贅沢直熟管アンプを凌駕しようかというアンプができ上ったのです．その音色傾向等については後のヒアリング記のところで述べますが，とにかく音色の好き嫌いは別にしてその値においては瓦球を問わず，現代の最高水準にあるのではなかろうかと思わずにはいられないようなアンプが低価できてしまったのです。