ヒートポンプ普及による省エネルギー·温暖化対策の推進について

摘要

日本政府は「すべての主要国による公平かつ実効性のある目標の合意が前提」との条件付きで，2020年までの温室効果ガス削減目標について1990年比で25％削減するとした数値目標を国連気候変動枠組条約（UNFCCC）事務局に提出している。これは，現状比では30％以上の削減となる高い目標である。さらに，2009年11月の日米首脳会談において，2050年までに自らの排出量を80％削減することを合意した。この二つの目標値は地球温暖化対策基本法案にも明記されており，あらゆる政策を総動員して目標達成を目指すことになる。建築設備の耐用年数を考慮すれば，今年導入する設備は2020年にも稼働しており，中期目標を達成するためには将来の温暖化対策ではなく，現時点の温暖化対策の強化が必須である。