長繊維強化樹脂「プラストロン」の技術開発

摘要

長繊維強化樹脂は1980年代初め，英ICI社により開発された熱可塑性の繊維複合材料であり，従来の繊維強化プラスチックと比べて強度，寸法安定性に優れる特徴をもつ。開発当初より，その性能の高さと成形性の良さから種々の産業用途で検討が行われていたが，1990年代以降，欧州において自動車のモジュール化の進展に伴い，そのキャリア（2次構造材）に採用されたことを契機に飛躍的に市場が拡大してきており，一市場規模は2006年には全世界で15万t程度と推定され，年率20％程度の成長が期待されている。