CIGS薄膜太陽電池用成膜装置

摘要

現在，CIGS太陽電池における吸収層の成膜方法として，熱蒸着による方法とスパッタによる方法との二つが実用化されている。熱蒸着法では，Cu／In／Ga／Seすべての層を1システム·1ステップかつ低コストで成膜することができる。スパッタ法ではCu／In／Ge層とSe層の成膜にそれぞれ別のシステム·ステップが必要となりコストも高くなる。さらに，研究開発レベルの小サイズセルでは，米国国立再生可能エネルギー研究所（NREL）が熱蒸着による成膜で世界最高となる変換効率19.9％を実現するなど，太陽電池性能としても，熱蒸着法の優位性が認められている。しかしながら現在，日本をはじめCIGS太陽電池を量産するメーカーの多くが採用しているのは，スパッタによる成膜方法である。これは熱蒸着による大型基盤への成膜が非常に困難であったことを要因としているが，Veecoではこの問題を解決し，熱蒸着による大面積成膜を可能とした。