奇美実業·東京事務所の許代表に聞く～今後の事業戦略と日本市場－特殊ABSに注力／台湾と中国でスチレン系製品や導光板新増設－

摘要

世界最大のABS（アクリロニトリル·ブタジエン·スチレン）樹脂メーカーである台湾の奇美実業は、台湾·台南におけるABS樹脂25万トン増設と中国·江蘇省鎮江におけるHIPS（耐衝撃性ポリスチレン）15万トン増設に加えて、鎮江でのS－SBR（溶液重合スチレン·ブタジエンゴム）4万トン新設を決めた。2014年のABS樹脂210万トン体制確立後には、奇美実業は世界No．1メーカーとしての地位をますます強めていく一方で、日本国内のABS樹脂需要は4万トン弱で推移。同社の生産能力のわずか2％に過ぎないが、日本は同社の研究開発方面から非常に重視される市場だという。中国をはじめとする新興国での拡大戦略と日本での品質向上など、奇美事業のグローバル成長戦略を東京連絡事務所の許瑤華代表に聞いた。