(S020-2)連鋳鋳型テーパ形状が凝固シェル成長に及ぼす影響の数値解析

摘要

連続鋳造プロセスにおいて、凝固シェルの成長挙動を把握することは、プロセスの安定性と高生産性を実現するため最も重要である。特に短辺のテーパ（傾き）形状は凝固シェル成長に大きく影響すると考えられており、従来から、短辺のテーパが十分でないと鋳片のコーナー近傍で凝固シェルの成長が遅れ、テーパがきつすぎると凝固は均一になるものの鋳型の下端部での銅板摩耗が早くなり鋳型による鋳片の拘束力が増加し、どちらの場合もブレークアウトが発生する頻度が高くなると経験的に示されている。この問題を解決するためには短辺のテーパ設計が重要であり、マルチテーパやパラボリックテーパ等が提案され適用されてきたが、短辺形状が凝固に及ぼす影響については十分な定量的な検討がなされていない。そこで、連続鋳造鋳型内の凝固シェルの成長?変形を鋳型短辺のテーパを考慮して計算するモデルを構築した。本モデル及び実鋳片の観察により、鋳片のコーナー部近傍で生じる凝固遅れのメカニズムを短辺テーパ形状の影響を考慮しながら検討した。