(T002_1)コークス炉燃焼制御系の安定性解析

摘要

近年，高品質鋼材への要求，あるいは製造過程おける環境対策等，鉄鋼業における課題はますます高度化しており，個々の製造プロセス或いは多工程に渡るプロセス間の操業ばらつきを一層抑制することが求められている．本稿ではコークス炉の操業ばらつき抑制について議論するが，コークスは高炉内において，本来の還元反応への寄与から通気性の確保に至るまで，炉内の様々な反応やダイナミクスに深く関わる役割を果たしている．国際的にCO_2 排出量の低減が求められる中，高品質のコークスを安定して供給できることが，今後の高炉操業にとって不可欠となる．コークスは原材料たる石炭をコークス炉で乾留させることにより生成されるが，高品質のコークスを安定に供給するためには，コークス炉のダイナミクスを正確に把握し，その特性に見合った制御系の構築をしていく必要がある．コ