Sn-Pb 合金の凝固組織に及ぼす電磁振動印加効果

摘要

電磁場を凝固中に局所印加する電磁振動によって、凝固組織制御が可能である。例えば、粒サイズを微細 化すると共にデンドライトを等軸化することができる。更に、初晶の分布状態はその印加時期により変化す るが、これは第２相の分布制御に繋がる可能性を示唆している。加えて、初晶の微細化のみならず、サイズ のばらつきが減少する。すなわち、電磁振動は粒サイズの微細化、デンドライトの等軸化、サイズの均一化 等の工業的に有用な機能を有する。鉄鋼に関しては、連鋳の電磁ブレーキで使用される0.3T 程度の磁場強度 で、炭素鋼の凝固組織制御も可能である。しかしながら、電磁振動が有する種々の機能が発現するメカニズ ムは明らかではない。更には、鉄鋼プロセスへ応用するための条件も明確になっていない。本研究では、電 磁振動により励起されるミクロ流動について焦点を当て、デンドライト樹間の濃度に及ぼす電磁振動の影響 について調査したので報告する。