気／液平衡法による酸素－炭素活量制御下での溶融鉄表面張力測定

摘要

近年，鉄鋼製錬や鋼材溶接など各種鉄鋼プロセスの数値解析シミュレーションによる最適化が進められている．特 に表面張力は気液相界面の現象を解析するために必要不可欠な熱物性であり，鉄鋼プロセスにおいて重要な Fe-C-O 系融体の表面張力データの整備が求められている．最近，小澤ら1)は酸素分圧をパラメータとした表面張力 測定から，溶融金属の表面吸着反応平衡定数を温度の関数として決定することに成功した．しかし，炭素と酸素の両 方を系統的に変化させて測定を行った研究はなく，溶融鉄の表面張力に対する酸素と炭素の活量の効果が同時に 存在する状態での議論は十分になされていない．そこで本研究では，CO-CO2 混合ガスを用い，酸素と炭素の活量を 同時に制御したFe-C-O 系融体の表面張力測定を行った．