ステンレス鋼の端面における発銹挙動（中性塩化物溶液中におけるアノード分極挙動）

摘要

ステンレス鋼の端面腐食については古くから研究が行われている。高濃度硝酸環境1-2)および塩化物環境3)に おける研究では偏析や介在物の影響が指摘されているが，支配因子に関して不明な点が多いのが実状である。 前報4)において，端面の方向，加工状況により耐発銹性が大きく変化することを示した。また，酸性塩化物 溶液(pH1)中におけるアノード分極測定では，圧延方向直角(T)断面にすきま腐食挙動が認められ，発銹性にす きまが関与することを推定した。本研究では，活性態領域を通過しない中性塩化物溶液中でのアノード分極測 定を行うことにより，端面の発銹性に関与するすきま形成の解明を試みた。