熱間鍛造用金型材料の熱疲労試験機試作と熱疲労特性

摘要

近年の急激な経済·技術の急変を背景に，鍛造技術には大幅なコスト 低減，製品の高機能化，短納期化などの要求がなされている．しかし， このようなニーズは金型に作用する応力，摩耗負荷あるいは熱的負荷を 大きくし，金型寿命の低下を招く場合がある．特に熱間鍛造における金 型寿命は冷間鍛造の場合に比べて短く，その損傷形態は摩耗，割れおよ び塑性変形の3 つの形態に分類できる．熱間鍛造の場合，サイクル的な 熱応力を原因としたヒートチェック(亀甲状の表面割れ)が問題となる 場合が多い．このようなヒートチェックを再現，調査するためのヒート チェック試験機が市販され，また新規的な試験法の提案がなされている 1)2)．しかし，それら試験における試験片はどれも小さく(t10×L50 ㎜程 度)，現場の金型の応力レベルより低い熱応力しか発生しない．本研究 では従来のものより大きな試験片(Φ50×L150 ㎜)を用い，水スプレーに よる冷却を行うことでより実際に近い応力サイクル，雰囲気を実現する 熱疲労試験機を試作した．