Ti 添加鋼のナノ組織と機械的特性（第1 報）Optimization of Ti/C fraction in Ti-added steels

摘要

緒言フェライト組織中にナノサイズのTiC 析出物を微細分散させたナノ析出鋼は優れた強度-延性バ ランスを示すことが報告されている。強度-延性バランスの一層の向上を図るためには、析出物間の距 離を更に小さくすることが有効と思われる。Ti 添加鋼において、Ti の存在状態は、(ⅰ)凝固時に生成 した未固溶粗大TiC、(ⅱ)一度オーステナイト中に固溶し、冷却過程で再析出する微細TiC、(ⅲ)固溶 状態のTi、が考えられる。強度-延性バランスを向上する観点からは、(ⅱ)の微細TiC をできるだけ多 く析出させることが望まれる。本研究では広い範囲のTi/C 比率を有するTi 添加鋼を対象に、微細なTiC をできるだけ多く析出させるための成分と熱処理の最適化条件を熱力学的に検討した。得た解析結果と 別報で示した機械的特性とTiC 形態の評価結果を関連付けた。