高強度冷延鋼板の塗膜密着性に及ぼす表面亀裂の影響（化成処理性に優れた高強度冷延鋼板の周発-1）

摘要

自動車用冷延鋼板の分野では、近年の軽量化あるいは衝突安全特性向上の要求から、高強度材の適用が拡大しつつあり、高強度鋼板についても高耐食性·高延性を兼備することが望まれている。高強度かつ高延性を実現しうるDP鋼板、TRIP鋼板において、Si、Mnといった合金元素は必要不可欠で、従来の低強度鋼板と比べるとこれらの合金量は多くなっている。 しかし、これらの合金元素の多い鋼材は塗装後の塗膜二次密着性や耐食性が普通鋼板に比べて劣る場合がある。本報ではSi、Mnを含有する高強度冷延鋼板の表面に形成される微小な亀裂の塗膜密着性への影響とその発生原因について調査した結果を述べる。