IL-33とアレルギー

摘要

これまでアレルギ一疾患の発症や病態の形成は，T細胞やB細胞による抗原特異的なTh2型の獲得免疫応 答や，抗原特異的IgE抗体と抗原によるマスト細胞および好塩基球の活性化による炎症がおもな機序として考 えられてきた.しかし最近では，アレルギー疾患患者数の増加に伴い，既存の治療薬（ステロイド剤，抗ァレ ルギ一薬など）でも症状コントロールできないタイプの病態をもつ患者も増え，そのような病態に対してはか ならずしも上述したような獲得免疫系やIgEを中心としたアレルギー疾患の発症機序では説明できない場合 がある.このような獲得免疫系やIgEを主体としないアレルギー疾患の発症機序を説明するものとして近年， IL-33, TSLPやIL-25といった上皮細胞由来のサイ卜力インの生理作用が注目を集めている.本稿では，さ まざまなァレルギー疾患の発症や病態形成におけるIL-33の関連性とその役割について，最新知見を含めて 解説する.