質量顕微鏡を用いた腫瘍組織内の薬物分布情報のィメ ―ジング

摘要

質量分析は測定試料に含まれる分子をさまざま な方法でイオン化し，得られたイオンの電磁場中 での運動の違いから横軸が質量（実際には質量を価数で除したmizとよばれる無次元量）,縦軸が 検出されたイオンの強度で表される"マススぺク トル"というグラフデータを得ることが可能であ る.質量分析で生体分子の分析を行う場合，通常， 組織をすり漬し，抽出し精製後，試料中に含まれ る分子の定性および定量分析が行われる，しか し，このような既存法では"試料中に含まれる分 子がどれだけ含まれているか"という情報を提供 することは可能であつても，詳細な位置情報は試 料から抽出された時点で失われる.すなわち，"ど こで(位置情報)，なに力《(定性)，どれだけ(定量)" という問いに対し精度の高い位置情報を提供することは困難となる.