感染性心内膜炎の診断と治療の最新知見

摘要

感染性心内膜炎（IE)は心?血管系の代表的な感染症で，心内膜に疣贅を形成し，菌血症と塞栓症，弁組織の 破壊による心不全を生じさせる.おもな原因菌は口腔内の連鎖球菌であるViridans streptococcusと，ついで ブドウ球菌属で，後者は増加傾向にある.また，ブドウ球菌性IEとくにMRSAは院内死亡のリスク要因であ る.診断においてはつねにIEを鑑別にあげて複数回の血液培養提出と心ェコ一検査を行うことが重要である. 抗菌薬は分離菌の感受性結果を踏まえて+分量を，ガイドラインで推奨される必要期間投与する.IEの予防 に関して，歯口科手技(抜歯など）での抗菌薬予防投与に対する考え方はここ数年大きく変わりつつある.