安全管理の重要点 総論

摘要

近年，がん化学療法は外来治療が主体となって きている.その背景には，短期間投与レジメン，経口薬の開発，ポート化の成功，G-CSF， 5-HT3 受容体拮抗剤，経口抗生剤など副作用に対する支 持療法剤の進歩がある.また，社会的には，平均 在院日数の短縮，DPC導入，2002年3月からの 外来化学療法加算といった医療経済的側面と，患 者QOL向上といった側面によって，がん化学療 法は入院治療から外来治療にシフトしている.そ のような現状において，がん化学療法中の有害事 象であるアナフィラキシ一ショックゃ分子標的 薬，とくに抗体医薬品によるインフュージョンリ アクションをはじめとする過敏症の発現は，適切 な対応'管理が必要であり，重要な問題のひとつ になっている.外来がん化学療法を施行するにあ たって，安全性や質を維持し，患者の満足度を高くするために，さまざまな対策やマユュアル整備が行われている.