食塩感受性高血圧とレニン-アンジ才テンシン-アルドステロン系

摘要

高血圧症は遺伝的素因と環境因子が重なりあつ て生じる.後者の代表として塩分摂取量があげら れる.高食塩食に対する血圧上昇，すなわち血圧 の食塩感受性は個人で大きく異なり，この食塩感 受性の亢進した高血圧症を食塩感受性高血圧とよんでいる.食塩感受性高血圧患者では腎Na排泄 機能が低下し，Na貯留と細胞外液量の増加により血圧が上昇していると考えられるが， Na排泄 機能低下にも種々の原因があり，その発症には神 経ホルモン系の変化に加え，いくつかの遺伝子変 化など複雑なメカニズムが関与していると考えられている.