建築：歴史的建築物の非破壊検査－使用材料の強度推定法および各種非破壊検査技術の適用事例

摘要

歴史的建築物を保存·修復するためには、まず現状を把握するための調査·診断を行う必要があるが、レンガ造や石造建築物の調査·診断方法については、まだ系統的な研究がなされていない。 特に重要文化財などに指定されるような建築物では、使用材料の採取が許されない場合が多いため、非破壊あるいは微破壊検査が主な診断技術となる。 筆者は、10数年前から、世界文化遺産、国宝、重要文化財などに指定された多くの歴史的建築物の調査·診断に携わってきたが、本稿では、レンガ、目地モルタル、低強度コンクリートなどの歴史的建築物に使用されている材料の非破壊·微破壊試験法に関する最近の研究事例と、各種非破壊試験法の歴史的建築物への適用事例を紹介する。