エネルギー：原子力発電所の長期安定運転に向けた取組み－品質向上に向けた検査技術

摘要

地球温暖化対策やエネルギーの安定供給確保の観点から、長期的に原子力発電の規模を維持·拡大し、2030年頃まで既設の原子力発電所を最大限に活用していくことが国の基本方針になっている。 そのためには、「長期安定運転ができる」、「設備利用率が高い」、「従事者の受ける線量が少ない」原子力発電所を目指した『高度保全技術』を開発し、実機に適用していく必要がある。 特に、長期安定運転を実現するためには、不具合の予兆を発見し、適切な対策を施すことにより、不具合を未然に防止して、安全性を保つことが重要である。 本稿では、既設の原子力発電所を安全に運転するために必要な検査技術について、ソフト、ハードの観点から記載する。