1990年代後半に入ってから，合成ガス（一酸化炭素(CO)と水素(H{sub}2)の混合物）を原料として，さまざまな液体燃料(GTL: Gas To Liquid)を製造する技術が，クリーン燃料の視点から世界の注目をあびている．また，将来技術として大きな期待が寄せられる燃料電池も水素製造のためにクリーン燃料を必要としており，この視点からも液体として輸送面で強みを持つGTLは注目されている．合成ガスから実際に得られるクリーンの液体燃料としては，FT合成油，ジメチルエーテル(DME: Di-Methyl Ether)，メタノール(Methanol)の三者を挙げることができる．FT合成油のFTは，この人工石油の合成法を発見したドイツ人化学者フィッシャー(Franz Fischer)とトロブシュ(Hans Tropsch)両者の頭文字に由来するものである．
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