乗用車燃費改善技術の導入効果の一考察

摘要

本研究ではガソリン乗用車を対象に，新たな燃費基準が自動車利用の経済性に及ぼす効果の推計を試みる．まず，燃費技術の費用特性を把握するために，文献より要素技術の燃費改善率と費用を調査し，それらの可能な組み合わせのうち，費用対改善率の観点から最も効率的なものを最適パッケージとして抽出する．次に，これに基づき等価慣性重量(IW)クラス別の燃費基準の目標シナリオを設定する．最後に設定したシナリオが経済性に及ぼす効果を分析する．そこでは，新基準の施行年を2015年と想定し，ほぼ全車が新基準車両となる2030年頃の効果を扱う．これにより，自動車の省エネルギー策の検討に資する方法論を提示することが本研究の目的である．