Massive MIMO 伝送におけるオーバヘッドレスアクセス制御方式の一検討

摘要

近年，無線 LAN [1］の高速化が進み，IEEE 802.11ac 規格［2］では，MU-MIMO （Multi User-Multiple Input Multiple Output）伝送技術を用いることにより，最大約 6.93 Gbit/s の高速化が可能である．しかし，MAC （Medium Access Control）層では，チャネル推定など行うための CSI（Channel State Information）フィードバックなどのオーバヘッドにより，伝送効率は急激に低下する．さらに，無線通信の新技術として，Massive MIMO 伝送技術［4］が注目されており，この手法は，次世代移動体通信システム（5G：5 Generation）などへの採用が検討されている．本論文では，Massive MIMO 伝送技術への使用を目的として提案されている CSI 推定を排除するマルチビームMassive MIMO 技術［5］におけるアクセス制御方式を提案する．本提案方式は，CSI 推定が不要となるオーバヘッドレスアクセス制御方式であることから，無用なオーバヘッドを削減することができ，無線通信の伝送効率を飛躍的に向上させることが可能である．本報告では，無線 LAN における Massive MIMO 伝送技術を使用した際のアクセス制御方式の検討および基礎評価を行ったので報告する．