無線LANオフロードに伴う無線稠密環境における課題

摘要

近年，スマートフォン等のモバイル端末の急速な普及に伴い，移動通信システムのトラヒックが爆発的に増加している．これにより増大する移動通信ネットワークの負荷を分散させる手法として，無線LANを用いて移動通信システムのトラヒックをバイパスさせる，無線LANを用いたトラヒックオフロード（無線LANオフロード）が注目されている．しかし，無線LANオフロードによる積極的な無線LAN利用は，閉空間に多数の無線LAN 端末が過密に存在し利用される無線稠密環境を生じさせる一因となる．本稿では，この無線稠密環境において生じる課題とその要因について検討し，各課題要因に対して適用が検討されている現状の対策案と，さらなる課題解決に向けた解決技術について述べる．