複数TCPコネクションを利用した音声通信方式の音質評価

摘要

インターネットやモバイルインターネットの普及·高速化に伴い，インターネット上のマルチメディアデータを使ったリアルタイムコミュニケーションの機会が増加している．リアルタイムにマルチメディアデータを伝送するために，UDP上のRTPを利用する仁とが多いが，UDPではNATやファイアウォールの外部から通信できないという欠点がある．このため，TCPを利用したマルチメディア通信方式が研究されており低遅延なメディア通信が可能であることを示唆している．しかし，ユーザが体感するメディア品質についての検討はまだ途上である．本稿では，複数のTCPコネクションを利用した音声通信システムの音質を客観評価指標により評価する．評価の結果，TCPの本数およびパケット通信間隔を適切に設定することで，パケットロス率10％，往復遅延100ミリ秒の環境でもTCPを利用した音声通信が可能であることを示した．