吸着濃縮装置を前段に用いた有機排気処理装置

摘要

人の健康や生態系に悪影響を及ぼす有害物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律（PRTR法）が1999年に施行された。 さらに浮遊粒子状物質(SPM)および光化学オキシダントの低減対策の一環として、2004年5月に大気汚染防止法が改正されて以来、自動車の塗装ラインや産業用テープ製造ラインなどの大規模工場を中心に、VOC（揮発性有機化合物）排出量削減を目的にした有機排気処理装置の導入が行われてきた。しかし、造船や中小事業所の多いグラビア印刷の業界では十分に導入が進んでおらず、低VOC材料の使用によるVOC排出量の低減やVOC使用量の少ないプロセスへの転換も試みられているが、VOC排出基準の適用猶予期限である2010年3月末日に向け、排気処理装置へのニーズが高まるものと思われる。 本報では、吸着濃縮装置を前段に用いた有機排気処理装置の特徴と、導入にあたっての留意点を述べる。