測定用パラボラアンテナの校正距離に関する理論的考察

摘要

無線局やレーザーから発射されるスプリアス等のEMI測定に用いるパラボラアンテナの利得を校正する際に必要となるアンテナ間距離（校正距離）について，物理光学近似を用いた計算機シミュレーションによって検討した．その結果，パラボラアンテナの一次放射器がパラボラの焦点にある場合には，アンテナ開口寸法と波長から求まる遠方界条件（R=2D~2／λ）程度の校正距離で，アンテナ利得を誤差0.1dB以内で決定できるが，焦点から外れた位置に一次放射器がある場合には，校正誤差が極めて大きくなることが分かった．さらに，一次放射器として対数周期ダイポールアレイアンテナ（LPDA）を用いる市販の広帯域測定用パラボラアンテナについて，利得校正の誤差と校正距離との関係を検討した．