揮発性成分の新しい濃縮装置＜バイオエタノールやIPAなど分離困難だった混合液を分離可能に＞

摘要

本稿で示す要点は、この加湿目的の霧化機構をはじめて他の工業用途に拡張した点にある。 現在までに著者らを中心として第1表に示す超音波霧化に関連した技術開発が進展してきており、その内のいくつかは実用化段階にある。 技術の基本的なコンセプトの根底に、極めて微細なミスト（液）とガス（気体）間の気液界面の膨大なインターフェース利用という観点がある。 加えて、矢野らによって超音波霧化により生成するミストがナノレベルであることが見いだされている。 また、ミスト生成のための必要エネルギーが極めて小さい。 このように霧化技術を利用した技術開発は広がりを見せ始めている。 手の中で最も進んでいるのが超音波霧化分離であり、実証段階にあり、清酒の濃縮分離においては1999年から実用化されて稼働している。