次世代天然ガス高圧貯蔵技術＜供給インフラ整備のための天然ガス岩盤貯蔵技術の概要＞

摘要

天然ガスは、埋蔵量が豊富かつ他の化石燃料と比較して二酸化炭素などの排出面で環境負荷が極めて少ないエネルギーであることや、石油依存度を低減しエネルギー供給源の多様化に資すること等から、重要なエネルギーと位置づけられ、「天然ガスの利用拡大」が強く求められている。 この天然ガスの利用拡大のためには、天然ガス供給インフラ整備を促進すべきであり、そのためには幹線パイプラインの建設を進め、広域的な天然ガスネットワークを構築していくことが重要である。 天然ガス供給インフラ整備に関する我が国の現状を分析すると、その推進の障害となる課題として、「局所的な天然ガス供給インフラ」、「低いパイプライン利用率」、「高いパイプライン建設コスト」などが挙げられる。（社）日本ガス協会は、2000年度から2002年度まで経済産業省の委託を受けてライニング式岩盤貯槽の技術調査「都市ガスの岩盤貯蔵技術調査事業」（以下、「調査事業」と称する）を実施し、基本的な技術的可能性とコストメリットを確認している。 さらに現在、2004年度から4年間の計画で「次世代天然ガス高圧貯蔵技術開発事業」を国補助事業（補助率1/2）として実施している。 本事業では小規模ライニング式岩盤貯槽を用いた実証試験による実用化への技術開発を行っており、本報では、ライニング式天然ガス岩盤貯蔵技術（以下、天然ガス岩盤貯蔵技術と称する）の概要と現在建設中の実証試験プラントについて説明する。