日本学術会議社会環境工学研究連絡委員会「第18回環境工学連合講演会」,日本建築学会「建物のLCA指針」

摘要

近年，環境工学に関連する各領域での研究が深まるとともに，環境工学がカバーすべき範囲もますます多様化してきた。 従来の単一の学問領域のみでは限界があり，専門性の高い学問領域同士の緊密な連携の必要性が高まってきた。 さらに得られた学術的成果が人間社会にもたらす副次的な効果，すなわち人間社会へのインパクトも重要な要素となってきた。 筆者としては，われわれに関連するコンクリートでも数十年前には，重金属も水和生成物として取り込まれるので，環境面ではプラスの部類だと思われてきたが，最近ではコンクリートガラとそのリサイクルは建設廃棄物問題での主要なテーマとなっており，またそれに含まれる微量成分にも環境ホルモンと思われる物質も一部にはあり，従来通りのコンクリート工学の殻の中だけでは解決できない時代になってきた，と考える。