非定常流動特性を考慮したターボ機械性能向上技術：ターボ機械内部流れの非定常解析－現状と今後の展望

摘要

ポンプや水車、圧縮機や蒸気タービンなどのターボ機械内部流れの数値解析に関しては、1980年代からk-εモデルなどのレイノルズ平均乱流モデル(RANS [Reynolds-Averaged Navier-Stokes])を利用した定常解析の適用が盛んに研究され、1990年代からは設計·開発に不可欠なツールとして定着している。 一方、計算格子よりも大きな渦(Large Eddy)はモデル化することなく直接計算する乱流の解析手法である、Large Eddy Simulation (LES)は、従来、乱流の基礎研究ツールとして位置づけられていたが、RANSがターボ機械の設計·開発ツールとして定着した1990年代から、ターボ機械内部流れをLESにより解析する試みがなされなど、現在では部分的にではあるが、LESもターボ機械の設計·開発の現場で使用され始めている。本稿ではターボ機械内部流れ解析に対するLESの適用の現状を紹介し、今後の動向を展望する。