東レ·炭素繊維事業の方向性は？～大西盛行トレカ事業部門長に聞く－エアバスA350向けプリプレグ認定夏にも／仏での自製化視野－

摘要

ここ数年10％を超える成長を続けてきた炭素繊維市場も昨年秋からの急激な景気後退で打撃を受けている。しかし飛躍的な使用量増加が見込まれる自動車向けをはじめとして産業用途での需要拡大が確実視されるなど、中長期的な拡大基調が揺らくことはなさそうだ。 こうしたなか、炭素繊維世界最大手の東レも航空機用途を含む有望用途に的を絞った成長戦略を描いている。航空機向けでは、欧州エアバスの次世代中型旅客機A350向けのプリプレグ供給を目指して認定作業を受けており、フランスでのプリプレグ自製化も視野に入れる。 また自動車分野への展開を見据え、日米仏3拠点を立地先候補として産業用大型ラインの新設も検討中だ。 今後の事業方針を大西盛行取締役·トレカ事業部門島に聞いた。