建築構造物の耐震設計と未来材料--極大地震動に対するフェイルセーフ設計

摘要

建築物の構造設計あるいは地震動に対する耐震設計は建築基準法に基づいて行われている。1981年に建築基準法施行令が改正され，当時はいわゆる新耐震☆設計法といわれたが，それまでの許容応力度設計法☆に加えて保有水平耐力計算☆にもとづく終局強度設計法留が導入された。これにより許容応力度設計法は1次設計として位置づけられることになり，地震力のレベルは従来のまま層せん断力係数C_0＝0．2に相当するレベルが踏襲され，これを稀な地震（供用期間に1回は遭遇する可能性が高い）として，このレベルに対して建物は大きな損傷が生じないように，すなわち，許容応力度以下に留まるように設計する（鋼札鉄筋は降伏強度以下，コンクリートは設計基準強度Fcの2/3以下）。