鳥取の「鏝絵·なまこ壁]探訪<その12>

摘要

黒坂から20キロ日野川に沿って西に進むと鳥取県の西南端の里?多里で、多望の町並みを一望できる高台に常福寺がありますが、この寺は多望の古城亀尾城の城主·宮中務少輔盛祐が創建したこの地方きっての古寺です。石段を登って山門を入ると、正面に「貫華蔵」と称される一切経蔵があります。この経蔵には、黄葉宗総本山万福寺（京都市伏見）の「鉄眼の一切経」が勧請されて納められています。「鉄眼の一切経」とは、万福寺の開祖隠元の法孫にあたる鉄眼禅師が、隠元が持ち帰った大蔵経を元にして17年の歳月を費やして1681年に完成させたもので、私たちが日頃お世話になっている明朝体の源流となるものでもあります。