地熱発電の規制緩和

摘要

火山国の日本はインドネシア、米国に次ぐ世界第3位の地熱資源国である。すべてを発電に利用すると約2，350万kw、原子力発電所23基分に相当する。しかも地熱発電用のタービンでは日本勢が世界シェアの7割を占めている。　資源も技術もあるのに、熱源の80％が国立公園内に集中しているということ、温泉業者からの反撥が強く、開発には大きな制約があった。　このため現在の発電容量は54万kwと世界8位にとどまる（表）。温泉事業者は地熱発電用の井戸を掘ることによって温泉が枯渇するのではないかと強い不安を抱いている。温泉事業者に対しては計画当初から十分に情報を公開して説明し、理解を得るように努力する必要がある。　温泉業者の危機感からの反対運動の例として草津温泉と嬬恋村の「30年戦争」が有名である。