3月11日の地震で672秒の長時間地震動を記録--横造計画研究所の三次元免震住宅「知粋館」で観測、振動解析時間120秒以上の設計基準に見直しも

摘要

構造計画研究所（本社·東京都中野区本町）は、同社の社宅となる三次元免震住宅「知粋館」（所在地：東京都杉並区阿佐ヶ谷南）で、3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の際に、672秒に及ぶ長時間地震動を観測した。「知粋館」は、世界初の三次元免震住宅として3月3日に竣工し、同時に性能確認のため振動モニタリングを開始していた。上下·左右の変形、空気ばねの圧力変動やひずみ状況なども具体的に計測できるシステムとなっている。今回の観測記録では、最大入力地震動が南北方向に89．5gal,東西方向に81．2gal、上下方向に46.0galを計測し、当地で震度5弱程度に相当する揺れがあったことを確認した。これに対し、横揺れで約40％減、縦揺れで約30％減の免震効果が観測記録から確認できたという。