制御システムにおけるコンピュータウィルスの脅威と対策

摘要

現在の制御システムは，汎用IT技術を導入したことにより，高機能化やコスト削減を実現してきたが，同時にコンピュータウィルスへの感染など，情報セキュリティリスクという負の面を持ち合わせることとなった。2010年には制御システムを狙ったといわれる初のコンピュータウィルス「Stuxnet」による攻撃も発生した。他にも，ヒューマンマシンインターフェイス（HMI）がコンピュータウイルスに感染し，制御システム全体の挙動に影響を与え，プラントシャットダウンにつながった事例も報告されている。本稿では，制御システムにおけるコンピュータウィルスの脅威とはどのようなものかについて，感染事例やセキュリティ対策を紹介するとともに，横河電機の取り組みにも触れる。