シングルモードファイバ出力1.55μm帯7kWパルス光源の開発

摘要

近年，光ファイバ通信において情報量の大容量化が求められており，波長分割多重(WDM: Wavelength Division Multiplexing)システムの導入が進んでいる。 WDM通信においては情報量の大容量化にともない，信号光の光パワーが増大するため，従来の光ファイバ通信と比較し，伝送路や光部品における光学損傷の危険性が増大する。 現在、光部品の光学損傷に対する信頼性は，ワット(W)級の連続発撮(CW: Continuous Wave)レーザー光を入射することにより評価しているが，一個体に対する試験時間を長くしなければならないため，全数検査が行えないなどの問題が生じている。 この問題を解決するため，光学損傷を加速度的に発生させる光源装置として高出力パルス光源の開発を行った。 高出力パルス光源においては，十分な休止期間をおいた繰返しパルス光を入射したとき，パルスの立ち上がり付近において利得が回復する彦いうエルビウムドープファイバ増幅器(EDFA: Erbium-Doped Fiber Amplifier) のパルス増幅特性を巧みに利用し，キロワット(kW)級のピークパワーを持つパルス光を発生させている。 また，ここで述べる高出力パルス光源は，光バンドパスフイルク(OBPF: Optical BandPass Filter)，偏波コントローラ(PC: Polarization Controller)，新構造のエルビウムドープファイバ(EDF: Erbium-Doped Fiber)の適用によりピークパワーの向上を図った。