レーザ·アークハイブリッド溶接技術の導入に向けた造船業界共同研究の概要

摘要

一方で，レーザ·アークハイブリッド溶接は従来のアーク溶接と比較して，i）接合部材間のギャップ裕度が非常に小さい，ii）実船での適用実績板厚は10mm程度までに留まっている，iii）開先面の精密な処理（フライスなどの機械加工）の必要性，iv）現状の船舶建造工程を鑑みて検討が必要と思われる問題（シールドガスとしてCO_2単独での使用可能性，プライマの溶接部品質に及ぼす影響，等），v）高出力のレーザ発振装置の導入コスト，といった問題点があるため，バルクキャリアやタンカーなど日本の造船所で主に建造される船種で適用箇所も多くするためには，克服すべき問題点が残されている。本稿では，上述の調査研究委員会の活動成果について簡潔に紹介する。なお委員会概要報告書については日本財団Webサイトも参照頂きたい。