水中音響：海底堆積物中の横波音速

摘要

海底堆積物の表層部分の物性は、環境問題に関連して重要である。 この表層部分の物性を評価する上で、横波音速を利用することは有用であると考えられる。それは横波音速が縦波音速に比較して、物性の変化に対する感度が高いからである。 本報告では、まず海底堆積物中の横波音速の周波数特性について、Biot-Stollモデルを用いた検討結果を示す。 次に90種類の空気および水で飽和された海岸砂の横波音速をバイモルフ型圧電振動子を用いて測定する。 この測定値などから剛性率を求める。 得られた横波音速および剛性率の間隙率依存性について考察する。 さらに水で飽和された粘土の横波音速をバイモルフ法および放射インピーダンス法で測定し、その測定結果より間隙率の関数としての横波音速の実験式を示す。