原油市況，再び高騰局面続騰する産燃油，需要家混乱続く

摘要

イランの核疑惑，ナイジェリアの内戦等を背景に年明け後の原油市況が一段高となってきた。 ドバイ原油東京市況終値は，週末を挟んだ1月20日と23日に立て続けに60ドル／バーレルを超え，昨年9月2日の59.65ドル／バーレルを上回って史上最高値を記録した。 一方，冬本番を迎えた国内市場は昨年12月の異常寒波の余波で需給は引き締まったままで，海上スポット市況は高止まりの高水準で推移中。40円／l台の高値が続く原油通関CIF価格とも相まって仕入れコストを一段と押し上げている。厳しい寒さに加えて春には多くの製油所の大型定修が予定されており，今冬シーズン中の値下がりはほぼ望み薄となってきた。 元売各社はコストベースで12月仕切の1円／l強の値下げを打ち出したが，同時に突如列島を覆った異常寒波の影響で灯油やA重油など暖房用油種の供給が逼迫し，海上スポット市況は暴騰となった。 12月のSS向け灯油仕切は，エクソンモービルが16日から一挙に5円／l値上げし，民族系各社もほとんどが12月後半から灯油仕切を3円／l前後上げ，年が明けた1月分も打ち出しの1円／l強の値上げに続いて月後半から再び3円／l前後の値上げを追加した。 供給が引き締まる中で，産燃油市況も民灯市況ほどではないがスポット高に影響された値上がりが続いており，大口インタンク納め価格は55円／l前後，灯油は60円／l台の超高水準を目指す動きとなっている。