ピーク需要は26年度分も2年遅れに7年連続の下方修正で11年も後退

摘要

日本電力調査委員会（EI）は3月3日，平成26年度（2014）を最終年度とした電力需要の長期見通しをとりまとめ発表した。 今回の想定でも電力需要見通しは全国的に下方修正され，前回想定に比べ，販売電力土は1年，8月最大電力では2年弱もの遅れになった。 下方修正はこれで7年連続になる。 26年度の電力需要量は，電力10社の送電設備を経由する「流通対応需要」が9,595億kWh（新規参入業者の販売分を含む），共同火力などその他事業者を含めた「電気事業用」が9,790億kWh，自家発自家消費を含めた「総需要」が1兆1,233億kWhと想定された。 15年度実績を基準にした26年度までの年平均伸び率は3つとも1.2％（気温閏補正後も1.2％）になる。 7年連続の下方修正による遅れは8年。 関西で18年もの遅れになるほか，北陸で13年，中部で10年，東京と中国，四国で7年になる。 一方，26年度の8月最大需要電力は流通対応が1億9,416万kWと想定され，年平均伸び率は1.5％（気温閏補正後1.3％）。 前回最終年度の25年度を239万kW下回る2年の後退。 7年連続の下方修正による遅れは11年にもなる。 特に関西（25年遅れ）と中部（14年），北陸（12年）の中地域での遅れが際立っている。 今回のピーク電力の下方修正によって，発電所の建設計画が一段と縮小される公算が大きくなった。