10～12月分は25年来の高値へ続騰HS5,250円上げ，0.3％5,100円上げ

摘要

新日本石油は11月25日（金），東京電力，王子製紙と進めてきた10～12月分のC重油価格交渉が合意したとして，全S分の決定価格，つまりS分別決定メニューを発表した。 今年度に入ってから，C重油の価格交渉は四半期ごとの価格が期中に，しかもLSCとHSCが同時に決着するという理想的なスピード値決めが続いている。 今期の合意価格は，東京電力向けのS分0.3％HPPが49,960円／kl（支払いサイト30日，京浜湾内平水船持ち届け）で，ほば25年ぶりの高値になった。 前期からの値上がり幅は5,100円。30日向けに50円／klの支払いサイト格差を加えた一般向けは50,010円と5万円の大台に乗った。 王子製紙向けの3.0％は45,350円／kl（支払いサイト60日，京浜湾内平水船持ち届け）で，やはり25年ぶりの高値になった。 前期からの値上がり幅は5,250円で，今期はL／Hとも5,000円を超す大幅続騰となった。 なお，推定コストで算出された一般向け仕切基準価格に比べると，0.3％は400円，3.0％は250円の比較的小幅な後退にとどまった。 最近は原油価格が歴史的な高値圏で動いている割には，仕切価格に織り込まれた安全の余裕が，結果的に小幅に収まっており，市場関係者はこの点を歓迎していると同時に，これが今後も続くか注目している。 原油相場の下落によって来年1～3月分に期待されていた値下がりは，原油相場の盛り返しと，円安という新たなコストアップ要因の台頭で，雲散霧消してしまう懸念が出てきており，引き続きコスト環境の動向からは目が離せない。