4～6月は2度目のL／H同時決定同日の7～9月分仕切通告は史上初

摘要

JX日鉱日石エネルギー（以下，JXエネルギー）は7月27日（火），4～6月分C重油のS分別決定価格を発表した。新日本石油から受け継いで進めてきた王子製紙，東京電力の大口需要家との価格交渉が決着したため。年度替わり最初の四半期交渉でHSとLSが同時に決着したのば，期中決着した平成17年（2005）以来5年ぶり，2度目のこと。今回は同時に7～9月分仕切基準価格が系列特約店に通告され，27日に4～6月分の決定価格と7～9月分の要求価格がすべて出揃った。こちらは史上初。中央価格交渉で合意した4～6月分はHS3.0％が51,750円／kl LS0.3％HPPが57,770円／kl。これを受けてJXエネルギーが発表した一般向けの決定価格（支払いサイト60日の京浜湾内船持ち届けベース）は，HS3.0％が51,750円／kl，LS0.3％HPPが57,820円／klで，前期決定価格に対し3.0％は2,800円（5.7％）の反発，0.3％は3,910円（7.3％）の反発となった。とはいえ，仕切基準からはそれぞれ1,450円，2,030円の後退になる。為替，原油，ボンドバンカー，LSWRのすべてが仕切基準よりコスト安へ展開した一方，HSでは仕切段階でほ隠れていた経費の増額が実現したほか，生産品とボンドバンカーの合成比率が変更された。LSでは経費の見直しが仕切基準でも明らかにされていた実績ベースで合意され，増額は1,350円／klに達した。一方，7～9月分の一般向け仕切基準価格はHS3.0％が48,100円／kl，LS0.3％HPPが53,950円／klで，前期決定価格に対しHSが3,650円（7.1％）の反落，LS0.3％が3,870円（6.7％）の反落となり，1～3月分に接近している。原油相場に穏やかな上昇を想定したためだが，猛暑の今夏は相場が急に上昇する可能性がある。今後の相場展開から目が離せない。