下期は4,390円上げ後5,260円も反落投機筋の影響かミナス原油が乱高下

摘要

新日本石油は3月17日，東京電力と進めてきた平成16年度下期分のLSC重油価格交渉が決着したとして，S分0.3％（HPP＝高流動点）の決定価格と一般向け全S分の下期分決定価格を発表した。 東京電力と合意した下期のS分0.3％HPPは，上期で合意したルールに基づき，10～12月分が38,670円／kl，1～3月分が33,410円／klと決定した（支払いサイト30日，湾内船持ち届け価格）。10～12月分は7～9月分から4,390円の値上がり，1～3月分は10～12月分から5,260円の反落となった。この結果，東電向け0.3％の16年度平均価格は約34,250円／klとなり，前年度平均の約29,870円／klから4,380円（15％）も高くなった。 60日支払いサイトの一般向け0.3％HPPは，30日サイト向けに50円の国内金利を加えた38,720円と33,460円で，前期に対する変化幅は30日向けと同じ。 なお，一般向け決定価格は，仕切基準価格に比べると10～12月分で680円，1～3月分で340円後退した。下期のLSC重油価格が急騰した後急落したのは，インドネシアのミナス原油とミナスボトムが，ニューヨークWTIの影響を受けながら投機筋の思惑で乱高下したためとみられる。 いったんは落ち着くかにみられた原油相場は，3月に入ってから再び暴走気味となっているため，2～4月の原油価格が反映する4～6月分のC重油価格は大幅な値上がりが避けられなくなっている。