寒波去ってCPは35～55ドル下げサウジ4月P55％カットにも反応鈍く

摘要

サウジアラムコ社は2月28日，わが国の輸入関係各社に対して，LPガスの3月CPをプロパン470ドル，ブタン450ドルとした旨，通知してきた。 前月比ではプロパンが35ドル下げ，ブタンが55ドルの下げとなった。 3カ月ぶりの下げだ。 2月の国際LPガス市場は1月とは様変わりした。欧米を波状的に襲った大寒波が終焉した。 このため，欧米，特に米国市場のLPガス市況が大幅に下落した。 寒波特需に隠れていた石化の低迷·エタン安によるLPガスの需要減退が再び前面に出てきた。 USガルフは世界のLPガス供給基地となり，まだ高値を引きずっていた北西ヨーロッパや極東，中南米へと相次いで出荷された。 米国向け出荷がなくなった北アフリカや西アフリカの玉も極東へと向かった。 大暖冬で需要は伸びないが在庫水準の低下していた日本·韓国·台湾の買いとサウジアラビアの供給力ットで高値が続いていた極東は極めて魅力的市場となっていた。しかし，各地からのカーゴの流入により極東市場の市況高騰は抑えられ，サウジアラビアからの「4月の大幅供給力ット継続」の通知にも反応は鈍く，むしろ一段安となる有り様。 国際的にも需要期終了の手仕舞感が拡がった。 CPは下がるべくして下がった。 否，もっと下がっていいほどの市場状況となったのである。