4社が調整値上げ，6社は据え置き10～12月は10社とも調整値上げに

摘要

1～3月の輸入燃料価格から計算した電力10社の平均燃料価格は，前四半期と同様，昨年7月料金改定組の6社は「調整バンド」に収まり，7～9月検針分でも改定時の料金に据え置かれる。 しかし，4月改定の東京電力と中部電力，関西電九九州電力の平均燃料価格は調整バンドを上回ったため，4社は7～9月検針分でも調整値上げが継続される。 ただし，平均燃料価格が前四半期よりはやや安くなったため，調整値上げの幅はやや縮まる。 つまり今期より安くなるわけだが，その値下げ幅は標準家庭で月6円（関西，九州），21円（中部），29円（東京）と小幅。 また，北海道電力と東北電力，北陸電力，中国電力，四国電力，沖縄電力の7月料金改定組6社も，次期10～12月検針分では調整値上げが必要になりそうだ。 1～3月通関価格では原油が基準値を下回ったため，LNGと石炭が基準値を上回ったものの，平均すると調整バンドに収まった。しかし，原油は既に4月中旬通関分で45,000円／klへ反騰しているように，今後は原油相場の反発を受けた値上がりが避けられない。 そのため，4～6月通関価格から計算した平均燃料価格は全社で基準値を5％以上上回る可能性があり，7月改定組の6社も調整値上げが可能になる。