最大3日平均初の1億8,000万kW台期待以上の猛暑でもピーク伸び悩む

摘要

ラニーニャ現象の発生で期待以上の猛暑が8月にやってきた。 16日には岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で40.9℃を記録，昭和8年（1933）7月25日に山形市で発生したこれまでの最高記録40.8℃を74年ぶりに塗り替えた。 最高気温が30℃を超える真夏日は北海道まで普通に発生する状態となった。 西日本では35℃を超える猛暑日が連日のように続出した。 7月は期待はずれに終わったが，8月は期待に違わず厳しい酷暑となった。 猛暑＝冷房という連想から，ま場は電力需要の最盛期。 技術革新や法律の誘導などで電気製品の省エネ対策が日進月歩で進んでいるため，新型製品への置き換わりに伴って猛暑と電力需要の関係は以前ほど強くはないようだ。 とはいえ，狂暑の証しでもあるピーク電力の記録更新が，久しぶりに数カ所でみられた。 しかし，肝心の東京電力と関西電力のピークが伸びないため，九電力の供給区域全体の記録更新は先送りされた。 ただ，ピーク需要の上位3日分を平均した長大3日平均電力は1億8,227.8万kWと史上初の1億8,000万kW台へ拡大，6年ぶりに記録を更新した。 新潟県中越沖地震によって柏崎刈羽原子力発電所が全面的な運転停止に追い込まれた東京電力では，原発の停止を余儀なくされた15年夏以来の停電の危動こ直面したが，他社からの融通受電や大口需要家の使用制限，一般需要家による節電などが功を奏して危機を無事に乗り越えた。