EFP導入と納会日変更で利便性向上が期待される東工取石油市場

摘要

東京工業品取引所は3月17日開催の理事会で，①石油4品（ガソリン，灯油，原油，軽油）の本上場移行，②石油市場の納会日変更，③石油市場へのEFP制度の導入―について了承した。 上場5年目を迎える東工取石油市場はこれらの制度改正により，一段と利便性が向上し，元売など当業者の利用に弾みがつきそうだ。 　 納会日の変更は，現物市場との連動性向上を求める当業者の要望に沿って，現状の毎月20日をJOX，JOFなどと同じ毎月25日とするもの。 経済産業省の認可を受けて今年11月限以降の限月から適用する。 　 また，欧米では標準的な取引形態であるEFP取引（現物先物交換制度）についても，今年11月限以降の限月から導入し，石油市場への浸透を図る。現在の申告受渡制度を更に発展させたこの制度によって，より柔軟な受渡条件や原油の現物調達が可能になり，リスクヘッジの効率性も向上する。実施は5月1日からの予定。 　 これまで市場参加者や価格の面でやや相関性が弱かった現物，東工取先物両市場だが，納会日の変更やEFPの導入で，双方の長所（現物·OTC市場の取引の自由度，東工取市場の流動性，信頼性）を活かした利用のあり方が見直されることになりそうだ。