~(12)C~(16)O－~(13)C~(18)O交換反応による溶銑表面上のCO分解速度の測定

摘要

反応は~(13)C~(18)O/~(12)C~(18)O比で評価した。交換反応が平衡になった場合、本実験条件では~(13)C1~(8)O/~(12)C~（18）O比は約2.3となるが、反応開始後10分後の定常状態で既に~(13)C~(18)O/~(12)C~(18)0比が実験誤算範囲内で2.3つまり平衡値となった。 このことはCOの分解反応速度が非常に大きく、反応がすぐに平衡に達し、ガス側の物質移動過程で反応が律速される、つまり化学反応速度が物質移動速度よりかなり大きいことを示している。ここでは、化学反応速度の取りうる最小の値の評価を目的として見かけの反応速度に対応する物質移動速度からその値を評価した。物質移動速度はTaniguchiらが提案した次式を用いて評価した。Sh＝0.4（X/d）~(-1)Re~(0.66)Sc(0.5)。 混合ガスの特性は通常のHirschfelderらの方法を用いて評価した。その結果、本実験条件での物質移動係数mは8.58cm/sとなった。 この値に対応する反応速度定数の最小値は1.14x10~(-4)mo1/m~2·S·atmとなる。 この値はCO_2の鉄上での分解速度ど同程度の値であるが、溶銑上のCO分解反応の真の化学反応速度係数kcはこの値より数オーダー以上の大きな値をもつと考えられ、CO分解が非常に早い反応であることが分る。